小鳥遊 遊鳥の裏通り

La Vérité sortant du puits.

創世記のようなもの

はじめに、ことばありき 

ガイウス・ユリウス・カエサルが、「ブルータス、お前もか」(Et tu, Brute?)という最期の言葉を遺したのは56歳の時だった、と最近知った。奇しくも、同い年ではないか。


これ以外にも、「賽は投げられた」(alea jacta est)、「来た、見た、勝った」(veni, vidi, vici) など、生涯に、多くの名言を残したとされるユリウス・カエサル。では彼が、この世で最初に発した言葉は何であったのだろうかと、疑問に思い調べてみたのだが、短い時間しかなかったということもあり、日本語の文献内では見つけられなかった。

今回、拙「裏通り」をスタートするに当たり、著名なブログの“最初のことば”は、いかように綴られているものなのかと覗いてみた。面白いものはパクってしまおうという邪な気持ちがあったことを、否定はしない。しかし結論は、当然のことながら百人百様だった。

さればと、これから続くであろう「どうでもいい話」の初回くらいは、格式をもたせなければならないと考え、たまたま同い年という以外、縁も所縁もない紀元前44年に亡くなった古代ローマを代表する軍人・文人に、箔付けのため無理してご登場いただいたという次第なのだ。ホント申し訳ない。

ということで、下の写真はフランス「新古典派」の巨匠ジャン=レオン・ジェローム(Jean-Léon Gérôme)描いた≪カエサルの死≫である。

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明治維新以降、「印象派」ばかりが注目・評価される本邦において、「新古典派」の仕事が大名鼎鼎される日は、果たしてやってくるかしらん?